スラムダンクの湘北vs海南のボックスワンの間違い
湘北vs海南の前半残り9分程のところで、海南の高頭監督は宮益を活躍する桜木に付けるボックスワンの戦術を取りました。
アニメでは52話
ボックスワンとは
このボックスワンがどういう戦術かというと、英語ではBox And Oneと書き、要するに4人で正方形(もしくはひし形)のゾーンを作り、残りの1人が特定の選手へマンツーマンをするディフェンスということです。
スラムダンクの中でもそのように解説されています。
メリット
このディフェンスは、特にシュート力や得点力が秀でた選手のいるときにするディフェンスです。
まず、ディフェンスはその選手にできるだけボールを持たせないようにして、ボールを持たれたときも、厳しいディフェンスをした上で、他の4人もカバーします。
そうやって、特定の選手の得点をできる限り抑えようというディフェンスです。
デメリット
このディフェンスのデメリットは、特定の選手へマークが集中するため、他の選手へのマークが薄くなりやすいということです。
その上に、通常ゾーンというのは5人で守りますが、4人で守る場合、それだけ守るエリアが広くなります。
したがって、ボールは回りやすく、アウトサイドはフリーになりやすいです。
したがって、基本的にはアウトサイドの選手にマンツーマンのディフェンスをする戦術です。
もう一つのデメリットは、マンツーをしている選手の疲労が大きいことです。
したがって、適度に交代する必要があります。
しかも、ディフェンスというのは多い方が守りやすいです。
1対1より2対2、2対2より3対3、3対3より4対4、4対4より5対5の方が守りやすいです。
しかし、ボックスワンは4人で守る訳ですからそれだけ不利になります。
しかもマンツーならまだ良いのですが、ゾーンとなるともっと不利です。
なぜなら、ゾーンはエリアを守るわけですから、5人より4人の方が守るエリアが広くなります。
高頭監督の戦術は良かったか
では、高頭監督のボックスワンのというと、インサイドプレーヤーの桜木のマンツーをしています。
アウトサイドのない桜木に外まで付く理由は見当たりません。
桜木を抑えたいなら、ボックスの4人で抑えるか2-3ゾーンなどで良いと思います。
(インサイドプレーヤーにボックスワンをすることは、まったくなくはないですけど。)
また、なぜか桜木にばかりボールが行きます。
木暮は「一番ボールが行きやすい桜木で・・・」と言っていてましたがこれは間違いです。
本来、ワンの選手にはマンツーで付いているのでボールが行きにくく、他の選手に行きやすいです。
彦一の姉の記者も「4人でシュートすらさせない。」と言ってますが、これも間違いです。
デメリットのところで書いた通り、4人でゾーンをするのは難しく、どんどんボールが回ります。
その上に、アウトサイドは簡単にフリーになりやすいです。
したがって、湘北は三井や流川がアウトサイドから打てば良いのです。
本来は・・・。
また、ボックスワンの攻略方の一つとして、4人で攻めるというのがあります。
つまり、この場合、桜木はセンターラインのところにいれば良いんです。
そして4人で攻めれば良いのです。
4対4で攻めれないなら、5対5ではもっと攻めれないです。
ワンの選手がよっぽど得点力があれば別ですが、湘北の場合はそうではないのです。
安西先生のボックスワンとの比較
奇しくもこの試合で安西先生もボックスワンの戦術を取ります。
安西先生の場合、神に桜木を付けます。
そして、神は中々ボールを持てなくなりました。
これが普通です。
また、4人で牧のペネトレイトを止める。
その代わり外は捨てるという戦術を取りました。
これが普通です。
つまり、ボックスワンは外は捨てるぐらいなのです。
湘北と海南で同じボックスワンをしながら、違うことになっています。
どちらが間違いかというと海南側です。
この高頭監督のボックスワンは、三井という3Pシューターがいる状況でしたので間違いです。
反対に安西先生のボックスワンは、特定のシューターを抑え、インサイドも抑えるという良い戦術と思います。
ところで、牧や清田はアウトサイドを打てないのかね。
かなりフリーになるんだけどね。
清田はガードでしょう。
しかもNo.1ルーキーとか言うんだったらアウトサイドも打てないとダメでしょう。
それと赤木がケガして桜木と代わったときに、海南はもう一度ボックスワンをしても良かったと思うんだけどね。
一応は効いてたみたいなんだし・・・。